[ニューヨーク 8日 ロイター] - 終盤のニューヨーク外為市場では、円が買われた。アジア時間に発表された2月の中国貿易統計で輸出入が大きく落ち込み世界経済減速懸念が高まると、安全資産とされる円やスイスフランが上昇した。また石油や産業用金属価格の下落で、資源国通貨の豪ドルやカナダドルなどが売られた。
ドル/円は約1週間ぶり安値の112.41円に下落後、終盤は0.8%安の112.56円。ユーロ/円も終盤0.8%安の123.92円となっている。
2月の中国貿易統計で米ドルベースの輸出は前年同月比25.4%減で、2009年5月以来の大幅な落ち込みとなった。輸入も13.8%減で、16カ月連続の減少だった。
エバーコアISI(ニューヨーク)のストラテジスト、スタン・シップリー氏は「中国経済が苦境に陥ってるのなら、足元でリスク回避の動きが起こっていることになる」と述べた。
円とともに安全資産とされるスイスフランも買われドル/スイスフランは下落したが、その後持ち直して終盤は0.1%安の0.9956スイスフラン。ユーロ/スイスフランも終盤は、ほぼ横ばいの1.0964スイスフランとなっている。
10日開かれる欧州中央銀行(ECB)理事会を前に、ユーロの動きは限定的だった。ユーロ/ドルは終日小動きで、終盤は0.05%安の1.1005ドルでの取引。
昨年12月の理事会でECBが発表した緩和策が市場の予想を裏切る内容だったため、今回追加緩和策がどの程度のものになるのか見通しが立てづらく、ユーロ弱気の市場参加者は大胆な決定を前提としたユーロ売りのポジション構築には慎重になっている。
中国貿易統計でリスク回避の動きが強まる中、北海ブレント先物は一時約3カ月ぶり高値となる1バレル=41.48ドルに上昇。ただその後は反落し、終盤は3%安の39.61ドル。
ロンドン金属取引所(LME)銅先物3カ月物も先週付けた4カ月ぶり高値水準から下落を続け、2.6%安の1トン=4868ドルでの引けとなっている。
これらを受けて資源国通貨の豪ドルやカナダドルが売られた。
豪ドル/米ドルは7日に昨年7月以来の高値となる0.7486ドルに上昇したが、この日は終盤の取引で0.2%安の0.7455ドル。
ドル/カナダドルも同様に7日に昨年11月以来の安値となる1.3262カナダドルに下落したが、この日の終盤で0.9%高の1.3405ドルとなっている。
ポンド/ドルは終盤0.4%安の1.4215ドルだった。イングランド銀行(中央銀行、BOE)のカーニー総裁が、英国が欧州連合(EU)から離脱すれば英国経済に打撃となるとともに、世界金融市場センターであるロンドンから金融機関が退去する可能性があると警告した。
ドル/円 NY時間終値 112.63/112.66
前営業日終値 113.38
ユーロ/ドル NY時間終値 1.1006/1.1009
前営業日終値 1.1012
引用元::http://news.infoseek.co.jp/article/08reutersJAPAN_KCN0WA2Q8/
トップページ